介護の資格-ホームヘルパーについて

 介護を一人で全てこなす・・・かなり無理があることです。どうしても誰かに手伝ってもらう必要があります。
要介護の人をお風呂に入れるという一つにしても、一人で入れるのは頑張ることはできるとはいえ、状況によっては危険を伴います。
 
 そこで介護のエキスパートとして非常にメジャーなもので、ホームヘルパーというものが出現します。
施設や在宅介護において、訓練と知識を身につけた介護のエキスパートが、介護をお手伝いしていきます。
介護者は若い筋肉隆々の方ばかりとは限らないのですが、実際の介護は力仕事が多いです。
風呂介助などは訓練とコツをもって、更に全くの介助が必要な要介護者に対しては一人作業ではなく二人以上で安全に望むことができます。

 とても助かるホームヘルパーですが、これは資格を要します。人様の身体や安全を預かるのですから、当然のことかもしれません。
1~3級まであり、それぞれにできることが制限されています。

 ホームヘルパー3級=各自治体などで講習を行っています。講義と実技・実習・在宅の現場見学実習などで50時間で取得できます。ホームヘルパーとしては本当の初級で、就労向けではなく家族介護向けです。また、3級の方が就労しても介護報酬にあたらないとされ、職業としてのホームヘルパーは2級からの募集がほとんどです。

 ホームヘルパー2級=訪問介護事業者、福祉系各専門学校、各自治体等で資格取得の講習を行っています。講義・実技・実習とも3級よりはるかに時間を要します。「ホームヘルパーの学校に通う」というイメージですね。専門校だと費用は7~14万円程度だと言われていますが、自治体の場合はもっと安く受けられるところもあります。ただしこちらは、受講が平日のみなどの制限があったりします。
 このホームヘルパー2級を取得すれば、仕事として訪問介護ヘルパーになることができます。3級は就労しても家事援助のみですが、2級は家事援助と身体介護の全てを行うことができます。

 ホームヘルパー1級=2級取得後1年以上の実務経験を経て受講することができます。2級よりも深い知識や技術と共に、ヘルパーをとりまとめる主任ヘルパーを学びます。更に、作業だけでなく、より介護者に近い立場に立ってケアを考えたりする、介護計画にも関わる道ができます。
 ですが、この1級をとるのであれば、3年以上の実務経験を経て介護福祉士という国家資格を取得する方法が薦められています。

頑張れ介護の新人!

 ホームヘルパーの資格を取ったある新人さんは、まずどこへ勤めようかと考えました。
「施設ならどうだろう?」 
施設の介護者であれば待遇も安定し、色々な経験ができるかもしれません。しかし就職活動してみると、こちらは競争率が高く、なかなか空きもありません。
 一方、訪問介護は人が常に足らずシフトもキチキチの状態です。訪問介護であれば即仕事があるという状態でしたが、新人さんは悩みました。他人の家に入って介護をする・・・ちょっと抵抗のあることでした。
 まして、認知症の患者さんなどは事実誤認の症状がでたりするので、よくドラマなどにも出てくる、
「私のお財布がない。誰が盗んだんだ!あんたが盗んだんだね!」
 というようなことが予想されるからです。
「大丈夫、認知症ってだいたいそういう病気でしょ?介護者なら誰だって経験するようなものよ!」
 と事務所に就職した新人さんは励まされ、先輩にくっついて実習の延長のようなことから始めました。

 新人さん達が仕事をし始めてすぐに気がつくこと、それは「2重の人間関係」です。
 普通の会社ならば、人間関係は「対・会社(仕事)の人間」のみになります。ところが介護は会社は会社で人間関係があり、介護をする人とも人間関係が生まれるのです。これは、営業の人が外の会社で営業をして人間関係を築くのとはちょっと違います。どちらかというと、サービス業の人間関係と似ているでしょう。ただ、似ているというだけで、まともにサービストークができるものではありません。

 介護職は風呂介助のような体力勝負の仕事も多く、新人さんはだんだん慣れない介護作業に疲れを感じ始めます。しかし「介護される方とコミュニケーションをとりながらお願いします」と言われて、それもそうだと努力して会話を持とうとします。
 が、認知症の患者さんなどは病状にかなり波があり、全く何を言っているのかさっぱり分からないことや、すごくまともな大人な会話をしているかと思うと態度が急変してしまったりします。新人さんは頑張ってコミュニケーションを取ろうとしますが、疲弊し混乱が蓄積していきます。
 施設に勤めた場合、デイサービスなどにやってくる高齢者はそれほど病状が進行していなく、自立リハビリが目的だったりするので、それほどコミュニケーションに苦労はしません(容易くも全然ありませんが)
 訪問介護となった認知症患者さんは、それとは全く状況が違います。認知症でも人間の尊厳が残る今までを立派に生きてきた方たちですから、安易な対処は失礼ですし、確かに難しいですね。

 介護をされる方のために、という看板をかかげても、実際は一緒に働く人たちとの連係プレーになります。更にその連係プレーの中に、介護をされる側のご家族も入ります。人間関係は難しいです。
 しかしぜひ、周囲のベテランの方々は自分だけでも大変だとは思いますが、新人さんを励ましていって、引き上げていってほしいです。一人の新人を助け優秀に育てることは、次世代の良い介護の現場を作ることになると思いませんか? 

 

 

介護サービスを利用しよう

介護なんて自分には関係ない・・・と思っていた人にも介護というものは関わってくる可能性があります。
今までお世話になってきた大好きな家族を他の人の手でなんて介護できない、または未だに介護はお嫁さんのお仕事というご家庭もあるでしょう。
しかし現実は、介護は小さい赤ちゃんを育児するのとは違い、重労働で危険です。
介護において助けを求めるということは恥しいことではありませんから、色々な制度を使いましょう。

 一口に介護サービスを受けるといっても、介護事務所に電話して即とはいきません。
まずは「介護が必要なんですよ」という要介護認定申請を市区町村の介護保険担当窓口まで提出します。
介護サービスといってもそれは無料サービスではありませんので、介護保険が適用されなければ全額を負担することになります。

 要介護認定申請をしてから実際に調査があります。その後医師の意見書も考慮され審査されます
介護は要介護度で認定されますが、介護が必要でないと判断された場合は保険がおりません。
 ここでポイントは、調査があった場合、要介護の本人を含めて話がされる時です。初対面の人には緊張感もあるので、認知症等であってもわりと普通に過ごせてしまう場合があります。そもそも波のある病気なので、時によりごく普通に見えたりします。
 しかし実際には目を離すことができないとか、人が付いて介護しなければならない状態が多いのです。
 これが調査に来た人に伝わらないと、審査で一ヶ月もかかったあげくに保険が下りないという悲劇になります。
「介護が必要なんだ」という必要性や、介護者の困窮度を添える用意をしておきましょう。

 さて、介護認定が下りたら、今度は市区町村役場などで居宅介護支援事業者を教えてもらいます。
リストになっていることが多いので、できれば自宅近くの評判の良い事務所を選択しましょう。
 この事務所に「ケアマネージャー」という介護支援専門員がいます。このケアマネージャーと一緒に、認定の度合いに基づいた介護サービスを計画します。
介護認定が下りたからといって、何でも利用できるかというとそうではなく、認定された度数範囲でしか保険がおりません。その他は自腹になります。
 ケアマネージャーと共にどのようにサービスを利用するか、要介護者の心身の状況を見ながら決めましょう。

母一人子一人の友人の母親の老後の介護の不安

高齢化社会を迎えて、介護者が老人のいわゆる老老介護が珍しくなくなりました。
年を取った息子が夫婦が高齢の親の介護をしたり、高齢の妹が高齢の姉の介護をしたりというケースが珍しくなくなりました。介護に疲れて心中という事件もテレビのニュースで時々やっています。
高齢者の介護は若い人でも負担が大きいのですが、それを高齢者が介護するとなると、介護ずるものの負担は想像をこえてものがあります。
数年前は大阪で80代の女性の姉妹が自分達の所有のマンションの一室で亡くなっています。死因は栄養失調で、数か月前からガスも電気も止められ、財布のなかの所持金は数百円だったと言います。この姉妹は亡くなる30年ほど前に、父親の遺産を数億継いでいるのですが、それなのになぜそこまで困窮しなければならなかったのか疑問が残ります。
資産運営の失敗なのでしょうが、お金は管理の仕方で数億のお金を無くしてしまうものなのですね。
相続税が高いからという人もありましたが、確かに相続税で苦しむ人もいます。入った相続金の中から払えばいいじゃないかと言われるかもしれませんが、相続税を払うために土地を売って、その売ったお金にまた税金がかかってと、なかなか苦労するものらしいです。
過去には長野県の50代の男性が相続税を苦に自殺しています。亡くなった大阪の姉妹の財産管理がどうなっていたのかわかりませんが、お金はどんなにあってもどういう消え方で消えていくのかわからないので、安心できるものではないようです。
苦労して貯めた老後の資金2千万円を詐欺にあって消えた老人もいます。
お金があれば老老介護も何とかなりますが、ない場合はさらにきついものになります。

すでに大変な高齢者の生活がさらに大変な時代となる

高齢になって介護されるようになって、一番困るのは認知症ではないでしょうか。
寝たきりの場合は食事を上げたり体を拭いてあげたりしものお世話をしたりしてあげれば、自分の休む時間ぐらいは確保せきます。しかし認知症で俳諧でも始まると、家族は24時間体制で見ていなければならなくなります。
困ったことに認知症の場合は施設でも受け入れてくれない場合もあるそうです。
過去に、認知症になった自分の奥さんの介護をするために、市長の座を降りたかたがいて、認知症のことがあらためて話題になったことがありますが、認知症になると家族の人生までも変えてしまいます。
私の父親の姉は70代で認知症になり、俳諧をしたり家族の人たちも大変な思いをしました。いろいろな面で恥もさらしました。それをみていたので、私の父親は常々「認知症だけにはなりたくない」と言っていたのですが、認知症になり俳諧もするようになり、兄夫婦もだいぶ苦労をしました。兄弟で認知症になるところをみると、やはり認知症はいでんするものなのでしょうか。
認知症の介護をした有名人の話がよく出てきますが、みなさん愛情を持ってほんとうによくやっておられると思います。愛情がなければそこまではできないだろうと思わされることばかりなのですが、みなさん一様に言われるのが認知症の親や奥さんのお世話をするのが生きがいであり喜びになっていたということです。
認知症の家族の介護疲れで家庭が崩壊したり、心中したりする事件が後を絶ちませんが、家族が認知症になったとき、愛情と人間力がものをいうようです。

確実に増えている若年層のおひとり様の問題点

老人の介護でも、排泄の問題が一番重くのしかかってきます。
体は動けなくても意識はしっかりしている人は、家族といってもオムツを取り換えてもらうのは苦痛です。お世話をする家族も苦痛です。
老人施設などの介護士さんたちは、職業と言えど大変なものもありますが、仕事としてこなしてくれています。ただ、男性の介護士さんも増えた今、男性の介護士さんにしものお世話をしてもらうのを嫌がる女性の入所者さんが多いそうです。女性の方が平均寿命も長いため、どうしても女性の入所者さんが多く、施設側でも頭を痛めているところも多いそうです。
もっと困るのは、痴呆になってしまった人の排便の始末です。むかし、近所に痴呆になってしまったお婆さんがいましたが、家族の話によると、自分の大便を家のなかのいたるところに塗り付けるのだそうです。付き切りでお世話をしているのですが、オムツに大便をするとすぐにそれを始めるので、どうにもならなかったようです。
痴呆になった場合は、家族の介護は無理があり、施設に預けるケースが多いですが、断られる場合もありますし、順番待ちのときもあります。
痴呆になってそのような状態になっても施設に預けるのは可哀そうと、自宅で介護している人たちもいますが頭が下がります。
老人施設の介護士による老人への虐待がニュースで報道されていました。介護士さんたちも、労働時間のきついという大変さのほかに、大変な排泄のお世話など大変な面もあるでしょう。老人ホームは決して入所案内のパンフレットの写真のようなユートピアではないし、そこまで期待はしていませんが、いずれお世話になるだろうわが身とすれば、さて、そのとき、どのような心構えでいればいいのかと考えてしまいます。

介護される側が介護する側のステータスを上げるとは?

私の高校の時の同級生に1人、介護福祉士をしている人がいるのですが、介護をする人の一番心がけていることはなに?と聞いたら、お年寄りの安心感かな?と答えてくれました。
なかでも気を遣うのは、お年寄りが入所して来るときと、そしてその日だそうです。その日に安心感を与えられればもう大丈夫といいます。
お年寄りが入所してきたとき、「いらっしゃい」ではなく「お帰りなさい!」というのだそうです。「お帰りなさい!」いい響きですね。なんとなく自分の居場所という気がしてきますよね。言葉の魔術ですね。
そして、その夜に気を遣うそうです。家の者が迎えに来ると言って、遅くまで玄関から離れないのだそうです。そんな時は無理に部屋に連れて行こうとしないで、どう言えば説得できるか、関係ない話をしながら言葉を探すそうです。適当な言葉が見つかるときもあれば、適当な言葉が見つからなくても、ずっと話し相手になってくれる介護士さんに安心して、素直に聞いてくれるそうです。
また、不動産関係の仕事をしていた30代の男性が、介護士の仕事に就いたと聞いたときは、それは大変だと内心思ったのですが、そんなことは口が裂けてもいえません。当たり障りのない話をしていたのですが、仕事を教えてくれている人がまず最初に言ったのは「お年寄りに安心感を与えるように」ということだったそうで、友人と同じことを言ったので驚きました。新人研修の時もそれを言われたそうです。
とかく老人施設の待遇の悪さとか、介護士さんの悪いニュースなどを聞いて、私もいつかは行かなければならない老人施設に暗いイメージを持っていたのですが、お年寄りのことを大事に思って働いている人の方が多いのだろうなと思うようになりました。

▲ページのトップへ